fc2ブログ

手術を乗り越えて

今日は、急性硬膜下血腫の手術をした子の
外来のフォローの日でした。

いきなり難しい病名の漢字を並べてしまいましたが・・
頭をぶつけて、脳の表面に血が溜まってしまった状態です。

頭をぶつけてすぐ・・急性
脳の表面(ということは脳の周りにある硬膜という膜の下)・・硬膜下
血・・血腫

というわけです。
脳の表面の血管や脳自体に傷がついて出血してしまうために起こります。

事故や転倒だけでなく、ボクシングとか柔道などの格闘技、その他のスポーツ
のアクシデントでも起こります。

血腫が少なければそのまま自然吸収を待ちますが、血腫が多かったり、
意識などの状態が悪ければ緊急手術が必要です。
ただ、手術が成功しても、必ずしも回復するわけではなく、
死亡率の高い、非常に恐ろしい病気なのです。

この子は緊急手術が必要でした。当時、小学5年生でした。
恐ろしい病気ですから、手術前には、ご両親に厳しいお話も
しました。

「手術をしますが、それでも助からないかもしれません。」

幸い、この子の生命力が強く、元通りにまで回復してくれました。
今春には中学2年生になります。野球部に所属して学校生活をenjoyしています。

中学生ともなると、少し生意気さが出てくるじゃないですか(笑)。
だけど、この子はいつも笑顔で、素直で、正直で、がんばりやさん。
そして礼儀正しい。

もともとの性格やご両親の育て方の影響もあるでしょうが、
生命の危機を乗り越えたという経験が、この子の強み、器の大きさに
繋がっているのかなとも思うことがあります。

スポンサーサイト



意志なんてない?

いきなりですが、「脳波」というのは、
脳の神経細胞の活動を表しています。

たとえば、
「ある音が聞こえたときにボタンを押してください」
と指示され、その動作を行った時、脳波に変化が現れます。

ここでおもしろいのが、実際にボタンを押した時点よりも、
少し前に、すでに脳波の反応が出ているのです。

つまり、人間が何かを行動しようと思ったときには、
脳はすでに何らかの反応を示しているのです。

よって人間に意志なんてない、脳はすでに知っている、
なんてことを言っている人もいるようです。

くも膜下出血とは? ~第二の峠~

手術が成功しても、「はい、治りました!」
とならないところが、この病気の厄介なところです。

あくまでも手術は、再度出血するのを予防するためだけの
ものですから、出血したことによる脳のダメージを取り除いた
訳ではないのです。

そういった意味では根本的な治療が行えない病気とも言える
でしょう。後は、患者さんの脳の回復力に期待するところが
大きいのです。

一般的に、「手術が成功すれば病気は治る」という認識があると
思われますが、そうとは限らない
という事です。この点で、
我々医療関係者と、患者さん・そのご家族との間に、深い溝
があると思います。きちんと理解して頂くまで説明が必要でしょう。

手術が成功しても、その後約2週間程度は、要注意です。
出血した事により、脳の血管も血液でベットリの状態です。
すると血管は血液による刺激が引き金となり、
縮んでしまうことがあるのです。

縮むというのは、血管が細くなってしまうということです。
あまりに細くなりすぎると、血液の通りが悪くなり、
脳梗塞を起こしてしまいます。

そのような最悪の事態に陥らないように、患者さんの症状や
検査結果からいち早く異常を察知して、手遅れとなる前に
適切な治療を行わなければいけません。

よってこの2週間は、24時間、常に気が抜けません。
我々にとっても魔の2週間です。

この2週間の峠を問題なく乗り越えると、ホッと一息となります。

くも膜下出血とは? ~第一の峠~

最近では、有名アーティストが、
少し前にはプロ野球選手が患いました。

どのような病気かと言いますと、読んで時の如く
「くも膜」の「下」に「出血」する病気です。

原因は様々ですが、大抵は、脳の動脈にできた
膨らみ(コブ)が破れることが原因です。
いわゆる脳動脈瘤の破裂です。
なぜコブができるかは解明されていませんが、
遺伝が関係している場合もあるようです。

脳は3つの膜で覆われており、その真ん中の
膜がくも膜で、脳の動脈はくも膜の下を走って
いるので、それが破裂すると、くも膜の下に
出血する訳です。出血により、脳自体にダメージ
が加わります。

なぜこの病気が怖いかというと、発症すると
3割→死亡、3割→何らかの後遺症、3割→社会復帰
という経過を辿ってしまうからです(だいたいですが)。

破れてしまったコブは一旦はかさぶたのように固まって
止血されますが、完全な自然修復には至りません。
繰り返し破れて出血すると、致死率が高くなります。

よって、再破裂を予防することがまず第一の治療で、これが
手術に相当します。今の時代、かなり技術が進歩し、治療の
選択の幅も広がりました。

頭を「切る」治療と、カテーテルを使った頭を「切らない」治療
がありますそれぞれ長所、短所があるため、患者さんに合った治療が選択されます。

この手術成功まで辿り着くのが、第一の峠となります。


右脳活性化のススメ

なんでもいいんです。
簡単なことから始めましょう!

歯磨きを左手でやってみる。
生中ジョッキを左手でグイッと。
カラオケのマイクは左手で。
などなど・・

そして、少し慣れてきたら、お箸を左手で!

始めは本当に難しいですよ。まず持ち方からぎこちない。
大きなおかずはつかめますが、ご飯粒なんてまず無理。

食べる速度も落ちますし、ガッツリと口の中に入れられないんで、
なんだかおいしさも半減(笑)。いや、本当に。

そして不思議と、おそらく右手でもできないようなことを、
なおさらできないであろう左手で、延々とがんばっている時がある。

脳は、ただ動かすというだけでなく、どのような手順でやるか、
どれくらいに力を操るか、その方法で可能なのか、など
の多くの判断や微調整を、いくつかの(脳の)部位が連携をとりながら、
一つの動作を行っています。


普段使うことが少ない左手では、できるできないの判断能力も
鈍っているのだと考えられます。

それでも毎日がんばってみると、それなりにサマになってきます。
人間って学習能力あるなぁ~て、ちょっとうれしくなってきます。

右脳の神経細胞同士の繋がりが増えたと考えられます。
頭が良くなった、ということです!

右脳を活性化することで、今までとは違ったセンスが、
必ずや、養われているハズです。
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR